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    1130
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      昨日、書き込みをした後で気がついた。




      次のライブは11月30日。
      数字の1130をひっくり返すと311になるな、と。0を取ればだけど。



      私を大きくひっくり返した311。
      それがまた返った日に歌うなんて、何だか粋で、しみじみする。


      何か。
      忘れられない何かが生まれる日になるといいなと思います。


      ☆一路八ソロライブやります☆
      【sunrise woo】
      11月30日(日)
      OPEN 12:30
      START 12:40
      場所 IwooNOGATA
      http://www.iwoo-nogata.com/
      チケット ¥2000(ドリンク代別途¥500)



      ☆一路八の出演は、14時前後になります。
      20分前くらいにお越しいただけると確実です。




      | - | 21:35 | comments(0) | - |
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        絶賛作曲中です。




        こうして、ライブを控えて曲を作ったり、身体を整えたりしていると、ああここまで来てたんだなあと、感慨深い気持ちになります。




        特に、棘のない落ち着いた緊張感を持っていられることが、本当にありがたい。





        ここ2年ほど、必ずライブの最後に歌っている曲があります。




        私が生まれて初めて作詞作曲した曲「開」です。




        何があっても、どんなことが起きても、この曲で私は私を取り戻すことができる。




        私の原点である曲です。




        2011年3月11日。
        私の生まれ故郷である石巻が大きな地震と津波に飲み込まれました。




        私の育った家も、流されはしなかったものの、一階がすべて水に浸かり、30年続いた父の病院もすべての機械がだめになり診療不可能になりました。




        震災後、ルートが開いてすぐに石巻に入り、ひたすら自分の家を片付ける作業をし続けました。




        心は表層では不気味なほどに静かでした。
        ライフラインはすべて停止していたので、毎日毎日泥だらけだったけれど、みんなで笑って、あたためあって、協力し合って、元の生活を取り戻すためにひたすら身体を動かしていました。




        でも、その奥では。
        表の静かさと同じくらいの強さで、心が悲鳴をあげていました。




        その悲鳴がどこから来るものなのかも、何なのかも全然わからないまま、毎日夜になると一人家族と離れて泣いていました。ダウンジャケットを着込んで毛布にくるまって、ぶるぶる震えてわんわん泣きました。




        窓の外を眺める父の背中、泥水を吸ってふやけたカルテ、家中に漂う不自然な潮のにおい、すでにごみになってしまった思い出を運ぶ母の横顔、すべての瞬間が何もかもが痛みになって、毎日積もって行き場がなくて、刻まれ続けて、刻める場所すら見当たらなくなって、麻痺し続けた痛みが、また回復し始めると痛み出して、そのうち自分がわからなくなって、何かを本能的に保っているのはわかっていたけれど、その何かの名前も思い出せなくなって、それでも身体は勝手に日常を刻んでいて、無機質なオートメーション化された言葉しか使えなくなっていって、それまで毎日を彩っていた鮮やかな言葉たちが音もなく眠りについていって。




        そして、少しずつ、音が遠ざかっていって。




        もともと弱かった左耳が、震えてくれなくなって。




        声も震えなくなって。




        私は歌えなくなりました。




        死ぬかも、と思いました。




        死にたくない、とも思いました。




        無駄にしてはならないもの、避けてはならないもの、果たさなくてはならないものが、その時の私には生まれてしまっていたから。




        私はまだあがけると思いました。あがかなくちゃとも思いました。選択肢なんてないと思いました。




        既にもう泥だらけで、体重だって10kgも増えて見てくれも崩れて、かっこつける必要も余裕もなくて、もがいてあがいて笑われたとしても、今の自分には痛くもかゆくも何ともない。




        だから、やろうと。歌おうと、思いました。




        まずは、自分の心を救う歌がほしいと思いました。




        やりきれない、毎日毎日泣き続けている自分の心を、そっと撫でてくれる歌がほしかった。




        私は、以前からお声をかけていただいていた、真言宗の金剛流御詠歌の門を叩くことにしました。




        昔からよく遊びに行っていた奈良の吉野のお宿の御主人(通称・おっちゃん)が御詠歌の先生で、泊まりに行く度によくすすめられていたのです。




        実は、私は結構ディープな仏教アレルギーで、すすめられる度にそれとなくやんわりスルーしていました。理由は自分でもよくわからなかったのですが、お経とかお寺とか仏の教えというものが、どうも苦手でできることなら関わりたくなかったのです。




        でも、この時は、御詠歌をやろうとまっすぐに思いました。今までの自分にはない、くっきりとしたものがほしい、そう思ったのです。




        おっちゃんは大喜びで迎えてくれました。




        そして、当時の私の気持ちを汲んでくれたのか、神も仏も関係ない、とても自然で普遍的な一曲を教えてくれました。




        「無明無常」という曲でした。




        私の生きる道は、明かりもなく、灯火一つ持つことなく、寄る辺すらない旅ですが、だからこそ、人は一人で生きていけないことを、私は一人ではないことを知ることができるのです。




        そういう歌でした。




        正直、御詠歌はとても難しく、音もフレーズも節回しもとっても複雑で、最初におっちゃんが歌うのを聞いたときは、一体何が起こっているのかわからない感じでした。




        でも、なぜか不思議にすんなり歌えてしまいました。すぐに覚えられて、おっちゃんにもびっくりされました。そして、私もびっくりしました。だって、私、歌える状態じゃなかったから。




        その夜は、部屋に戻ってわんわん泣きました。




        何が起こっているのかよくわからず、泣きながらどんどん混乱して真っ白になって何も考えられなくなって、そして、気がついたら曲が一曲出来上がっていました。




        それが、「開」です。




        人は一人では生きていけない。




        震災を通じて私が感じた大きな大きな痛み、そして、死んでも持ち続けていくだろう宝物。




        人は一人では生きていけない。




        この重さを私は忘れない。




        だから、たぶん、歌えているんだと、思っています。





        詞・曲 一路八




        風を知り 背中を押され
        水に遊んで 恵みを浴びて
        土と語り 命に泣き
        燃ゆる火が行く手を照らす




        夜はいつ明ける 日はいつ昇る
        灯火はなく 寄る辺も知らず
        一人では生きていけない
        ただ泣くだけのひ弱な命




        だからこそ私は知っている
        一人ではないことを




        風を知り 背中を押され
        水に遊んで 恵みを浴びて
        土と語り 命に泣き
        燃ゆる火が行く手を照らす




        夜は結ぶ 鬨の声
        開かれし朝に立ち上がり
        流れし歴史 胸に刻んで
        大地踏みしめ




        父と戦い泣きわかりあい
        母と戦い泣きわかりあい
        友とぶつかり別れ出会って
        あなたと歩み己を知る




        幾億の魂 その先に
        私は今ここで歌っています




        降りにし縁 結い続け
        謝して歌い続けます




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